京都府精華町・けいはんな地区より、科学実践および普及推進モデル事業を目的としたけいはんなグリーンイノベーションフォーラムのウェブサイトです。
様々なイベント情報や、実践的プログラムのご紹介などを行っていきます!
facebookページにて、参加型の情報提供も行っておりますので、そちらも合わせてご覧ください。

【開催案内】平成29年度 KGIフォーラム(地域資源ナレッジマネジメント研究会)  「小さな博物館」ネット―ワーク形成推進事業 第1回 勉強会

2017/10/21 5:02 に 事務局 KGI が投稿

平成28年度の地域資源ナレッジメント研究会 「小さな博物館」ネットワーク形成推進事業の成果を踏まえ、南山城地域の特産である「柿渋」をテーマに「勉強会」を開催し、その発展方向を探求するとともに、「柿渋文化」の継承と「柿渋産業」の振興に貢献し、ひいては、地下資源依存型社会から地上資源活用型社会へのパラダイムシフトを構想し、「自然と共に生きる豊かな社会」の実現に目指して勉強会を下記のとおり開催いたします。

お申込みはこちらから

◆開催日時  平成29年11月7日(木)13時30分~18時 (受付開始 13時)

◆場所    けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK) 3階会議室

◆プログラム 
  1. ジオラマ制作ワークショップ 13301500

    テーマ:「柿渋の里」の復元

         ~風土としての流域文化の(いろどり)を探求する~

    指 導:岡本 道康 氏(人形作家みちやす・森のねんど研究会代表)

     

  2. 講演 15151645

    演 題:南山城地域における「柿渋」の歴史と柿渋産業の現状と課題(仮題)

    講 師:三桝 武男 氏(株式会社 三桝嘉七商店 取締役会長)

    対話者:岩田  均 氏(市民大学院・京都美術工芸大学 講師)

  3. 交流懇談会 17001800

◆主催・協力

主催:けいはんなグリーンイノベーションフォーラム

(地域資源ナレッジマネジメント研究会) 

連携:柿渋・カキタンニン研究会

協力:京都府立山城郷土資料館

◆定員・参加費
  1. 定 員:第1部のみ定員20名。第2部、第3部は定員制限なし。

   参加費:無料。ただし、交流懇談会、資料代等実費として500円を申し受けます。

◆お申込み
 WEBまたはFAXにて
 WEBの場合こちらよりお申込みください
FAXでのお申込みは添付の第1回お申込みを印刷し、必要項目記載の上、0774-73-4005

お問い合せ先
 けいはんなグリーンイノベーションフォーラム 事務局
 Mail office@kgi-forum.org FAX 0774-73-4005

【ご報告】平成28年12月7日(水)KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」を開催しました

2017/01/01 23:19 に 事務局 KGI が投稿   [ 2017/01/03 8:12 に更新しました ]

 12 月 7 日(水)午後 1 時 30 分から、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)3 階「会議室」において、約 50 名の参加者を得、第 5 回『KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」』が開催されました。
 本講演会は、「“もう一つの文明”を構想する人々と語る日本の未来」を共通テーマとした連続講演会として昨年 11 月の第 1 回以来、四半期ごとに開催されているもので、5 回を数え、最終回を迎えました。

※当日のプログラムはこちらをご覧ください。 
※会員の方はこちらから詳しくご覧いただけます。

そこで、今回は、これまでの講演、対話・意見交換の内容を総合する観点から、内藤正明先生(京都大学名誉教授・滋賀県琵琶湖環境科学研究センター長)から“生存可能社会”に向けた社会の変革 ~自然共生文明への転換~ をテーマにご講演いただき、その後、KGIフォーラム代表代行の池内了先生、同副代表の千田二郎先生を交えての鼎談が行われ、それを中心に議論が展開されました。
 講演会の最後に、KGIフォーラム三宅幹事から「実践報告」として、この間のKGIフォーラムの活動紹介と参加者への協力要請が行われました。(文責:事務局)


主催者を代表して、けいはんなグリーンイノベーションフォーラム(KGIフォーラム)代表代行の池内了先生から、地球環境問題が深刻になっている。孫子の時代には地下資源が枯渇し社会が立ち行かなくなる危険がある。この負の遺産を次世代に押し付けてはならない。現世代には、環境問題を解決する責務がある。本日の講演会を通じてその道筋を探求したい、旨の挨拶がありました。




テーマ講演
“生存可能社会”に向けた社会の変革  ~自然共生文明への転換~
「脱炭素社会」を目指す国際社会、「自然共生型社会」への歩みを「関西」から・・・・・
内藤  正明  氏
(京都大学名誉教授・滋賀県琵琶湖環境科学研究センター長)
テーマ講演:生存可能社会”に向けた社会の変革  
~自然共生文明への転換~

◇  内藤正明氏から、ご講演と対話を通じて、概ね、次のような課題提起、問題提起をいただきました。

(「脱炭素社会」を目指す国際社会)
▼  環境制約の下で、地球環境問題は「対応」の時代から「適応」への時代に突入している。先のCOP21での「パリ協定」では、2100 年を目標として「脱炭素社会」を目指すことが合意された。今や、世界は「低炭素社会」ではなく「脱炭素社会」へとフェーズが移っている。ファンドの投資先も「脱炭素社会」に移っている。“脱車社会”への転換も急がれている。日本の対応の遅れが目に付く。

(「自然共生型社会」への歩みを「関西」から)
▼  「関東・首都圏」は「先端技術型社会」を目指している。関東に追いつき追い越す、そのようなスタンスを取ることは無用。「先端技術型社会」に未来はない。関西は、その歴史的、文化的優位性を生かし、「自然共生型社会」を目指すべきである。

(人類の生存基盤を掘り崩す「地球環境変動」)

▼  環境問題は、生活→産業公害→都市公害→自然破壊→地球環境変動へと外延的に拡大している。目の前の問題を次々と外へ外へと転化し、最終的に地球環境に問題を押し付けてきた。これにより、より深刻な問題を招来する結果となっている。地球環境変動は、自らの生存基盤を掘り崩していることの証左にほかならない。人類の生存そのものを危機に追いやることとなっている。

(メンバーの幸せのための組織「共同体」)

▼  価値観の転換なくしてこれからの社会を展望することはできない。社会のあり様には二つの型がある。一つは、共同体、もう一つは、機能体。メンバーの幸せのために組織があるのと、組織目標の達成のためにメンバーはあるのと、それらは真反対である。目指すべき社会像によって、描かれる未来は大きく異なる。どちらに立つかが問われている。

(「軍事経済」の効用と「環境破壊」)

▼  最も効率的な経済成長(GDPの伸び)策は「戦争」である。経済的に困難に陥ると「戦争」が仕掛けられるとの言説がある。終戦直後においてさえ財界筋は武器製造・輸出について強い関心を寄せていた。経済成長にとって、軍事産業ほど魅力的なものはない所以である。しかしそれは「環境破壊」に繋がるものである。



対話(参加者との意見交換)  
理論とともに市民参加による実践活動が肝要・・・・・
◇  内藤正明先生からの「今後の日本において、関西の果たす役割(試論)」に関する補足説明と、池内了先生、千田二郎先生を交えての鼎談を踏まえるとともに、参加者からの実践事例報告もいただきながら、活発な意見交換が行われました。
 
▼環境問題に取り組むに当たっては、個別科学の統合が求められる。統合型の「シビルエンジニアリング学」の開拓が必要。京都大学の「地球環境学堂」の設立の際、「併任」方式によって各学部所属研究者の参画を得た経験が参考となろう。

▼理論とともに市民参加による実践活動が肝要。実践プログラムの立案とともに、先ず実践へ歩を踏み出すことが何より重要。論より証拠である。一定の形が見えてくると、賛同者の輪が拡大していく。それは「淡路島」等各地の取組が証明している。

▼環境問題の認識を深めるには、「フューチャーデザイン」が有効である。将来世代(例えば 7 世代先)を代弁するグループと現世代を代弁するグループ間による環境問題等の討議を仕掛けることも一考に値する。また、LCA解析等による技術の適合性を検討することも肝要。

▼大規模震災の復旧には「大規模技術」が不可欠であるとの認識が一般的である。しかし、東北大震災の時の実際を見ると、「小規模・適正技術」がむしろ有効であった。「大規模技術」に頼らない地域づくり、災害復旧の道を探求することこそ重要である。

▼「先端技術型社会」の象徴ともいえる「けいはんな学研都市」において「自然共生型社会」の在り方を議論することに違和感を覚えた。しかし、未来社会を展望するとき、もう一つの在り方を探求しているKGIフォーラムの活動には意義深いものがある。
 



実践報告
「ABCD戦略」:A(Alternative)、B(Beginner)、C(Children)、D(Development)

◇KGIフォーラム三宅幹事から、昨年(2015 年)5 月設立のKGIフォーラムの概要とこれまで
の活動状況、更に、来年(2017 年)以降の取組の展望について説明。

▼ KGIフォーラムの始源、設立の背景は、国際高等研究所が主催する『満月の夜開くけいはんな哲学カフェ「ゲーテの会」』における議論を通じて把握した『「緑」を核とする“もう一つの文明”の探求にある。

▼2015 年 5 月、そのプラットホームとして、個人の「志」をベースに設立し、グリーンサイエンス、グリンエネルギー分野に関心を寄せて活動している。現在、「ABCD戦略」と称して『A(Alternative)“もう一つの文明”の探求』『B(Beginner)地域の伝統的未来技術を“小さな博物館”として発掘』『C(Children)子供たちの“科学体験学習”の推進』『D(Development)革新的未来技術としての“生物模倣”に関する研究開発』を旨として事業を展開している。
 
 

 
 
 

▼KGIフォーラムの活動展開のイメージは、左図の 2015.11.20 開催の第 1 回「対話型講演会」事務局報告概要のとおり、「①“もう一つの文明”を探究する「講演会」と、②そのコンセプトを造形化した「ジオラマ」と、③そうした取組を現実社会で実践するための「研究会」
の展開、その 3 層構造の下に」行うことにある。

▼今後、5 回にわたり開催してきた「対話型講演会」において議論してきた内容をベースに「地球・地域デザインラボ(仮称)」を開設し、「グリーンスマートシティジオラマ制作 産学連携ワークショップ」等の展開を構想している。

 
 


ジオラマ制作ワークショップ/エキジビション・交流懇談
「森のねんどの木津川物語」―未来都市編―

KGIサイエンス&アート・カフェ

人形作家  岡本道康氏の主宰による 「森のねんどの木津川物語」―未来都市編―     
                                                     
自然と人間の共生をテーマに、自然豊かな生活環境、あるいは「林間都市」の実現を想起しつつ未来都市(グリーンスマートシティ)を造形化し、「まちの未来」づくりに繋げるジオラマ制作ワークショップ



■  10 時から 12 時 30 分まで、「KICK」1階「交流サロン」で、ジオラマ制作ワークショップが、街づくりに携わっている市民の方々
等、約 10 名の参加を得て開催されました。

■  前回に引き続き、自然との共生、エネルギー利用の効率化、地域の歴史を踏まえたまちづくりなど、参加者のまちづくりに寄せる思いを語り合い、各人のイメージする「まち」を造形化。
「森のねんど」の基台に、山、川、道等に沿って家屋、樹木等のパーツを配置しながら、「未来都市(スマートシティ)」のイメージを膨らませました。

■  また、今回は、こうしたジオラマ制作とともに、年の瀬を控えて、来年の干支にちなんで、「鶏」をモチーフとする置物を、人形作家岡本道康氏の指導の下に、各人思い思いのイメージを描きながら制作しました。自ら造形することの楽しさを味わうことのできた一時でした。

■  午後 5 時から、エキジビション、交流懇談が、KICK1階「交流サロン」で、講演会出席者の参加の下に開催されました。ジオラマ制作ワークショップ作品のほか、交通制御システムを組み込んだジオラマ、暮らしの情景を表現した「森のねんどの物語」作品を展示。それらを見入りながら、未来都市やふるさとづくりへの想いを交換しました。

 
 
 
 
 
 

【ご報告】平成28年9月29日(木)KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」を開催しました

2016/12/22 18:17 に 事務局 KGI が投稿   [ 2017/01/04 8:27 に更新しました ]

9 月 29 日(木)午後 1 時 30 分から、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)3 階「会議室」において、約 50 名の参加者を得、第 4 回『KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」』が開催されました。

※当日のプログラムはこちらをご覧ください。 
※会員の方はこちらから詳しくご覧いただけます。

本講演会は、「“もう一つの文明”を構想する人々と語る日本の未来」を共通テーマとした連続講演会として昨年 11 月の第 1 回以来、四半期ごとに開催されているもので、本年 6 月の第 3 回開催に続くものです。
今回は、「産業」の視点に焦点を当てた講演で、アミタホールディングス株式会社の熊野英介会長から「金融資本を超える信頼資本」〜自然と人間を経費にする豊かさから、自然と人間を資本にする豊かさへ〜をテーマとした講演があり、それを軸に議論が展開されました。


主催者を代表して、けいはんなグリーンイノベーションフォーラム(KGIフォーラム)代表代行の池内了先生から、“もう一つの文明”を構想する人々の実践活動が静かに広がっている。“ローマは一日にしてならず、されどベルリンの壁は一夜にして崩壊”の譬えもある。そこに希望がある。皆さんと共に地道にその道を探求したい、旨の挨拶がありました。





講演会では、熊野英介
氏のご講演の後、講演内容を踏まえ、熊野英介氏と語る「日本の未来」‐近代的価値観をどう超えるか‐と銘打った対話(会場との意見交換)が
、参加者からの話材提供を基に、定刻を超えて活発に行われました。

最後に、KGIフォーラム副代表の千田二郎先生から、KGIフォーラム活動の普及を目指して、関係者への協力要請を呼び掛け、今後の決意を述べて閉会しました。






テーマ講演
自然と人間を経費にする豊かさから、自然と人間を資本にする豊かさへ。価値基準の転換、「新たな哲学」)を。
 
熊野英介氏 
(アミタホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長/公益財団法人信頼資本財団理事長/一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク副代表理事)
テーマ講演:「金融資本を超える信頼資本」
                        〜自然と人間を経費にする豊かさから、
                                                   自然と人間を資本にする豊かさへ〜

◇  熊野英介氏から、ご講演と対話を通じて、概ね、次のような課題提起、問題提起をいただきました。

(価値基準の転換、「新たな哲学」)を)  
▼物質的貧困・飢餓を克服し、人間の尊厳を取り戻したかに見えた近・現代人は、今、精神的貧困・孤独にさいなまれている。人間の尊厳から生命の尊厳へ。価値基準の転換。新たな哲学が求められる。

(「欲望」の「豊かさ」に反省を)
▼近代は、資本主義と民主主義の制度の下で、人間の「欲望」を開放し、その推進力を得て豊かさ、便利さを追求してきた。
しかし、今、それが制御不能に陥っている。「欲望」の上に浮かぶ社会の不健全性の矛盾。

(身の丈に合った「社会」を)

▼弱き生き物、未熟な人間は、共同体を基盤に生きてきた。強い国家でなく、豊かな「小さな」共同体の再生が人類を救う。脳髄の発達を超えた技術至上主義的発展は、人類の生存を危うくする。2025 年がピークアウトか。

(今こそ、「ソーシャルビジネス」を)

▼人類は、「技術過多」に陥っている。技術・市場イノベーション、それより社会イノベーション。
事業家としては、社会ニーズに応えていくことが喫緊の課題である。ソーシャルビジネスの出番である。

(新たな「産業」の芽生えが)

▼産業の発展は、自然資源の枯渇化・劣化、そして、人間生命循環の長期化(長寿化、少子化)を必然的にもたらし、その発展基盤を自ら崩壊させている。新たな産業の芽生えがある。パーソナル産業。こころの産業。



対話(会場との意見交換)  
近代的価値観をどう超えるか。―文明論から、企業倫理、まりづくり論、地域資源論、ソーシャルビジネス論、国土論まで―

「近代をいかに超えるか」のテーマの下に、参加者から寄せられた次の話材・課題提起に対する講演者、熊野英介氏のコメントを交えて、活発な意見交換が展開され、大きく時間を超えて話が弾みました。

◇  人間精神・文明の在り方
▼精神性を高める文明やまちの在り方    
有限会社自然文化創舎 代表取締役  君塚 孝一  氏
自然生態系を無視した、人間の都合に合わせた人工的な「自然環境」の下での
「安全安心なまちづくり」は、結果的に人類に災厄をもたらすこととなるのではないかと危惧される。

▼企業倫理を踏まえた経済活動の在り方
公益財団法人モラロジー研究所  特任教授  二宮 清  氏
経営資源としての「人」、「金」等の上位に「品性」が位置付けられなければならない。
アダムスミスが「国富論」とともに「道徳感情論」を著したことの意味を想起すべきである。

◇  地域資源・地域の在り方
▼社会的共通資本としての森林・林業等の位置づけと地域社会、地域産業の在り方
京都大学大学院経済学研究科 博士課程  荒木 一彰  氏
「森林環境税」による「森林」保全への取組は、日本独自のもののようである。
しかし、「森林」が人間の生存基盤となっていることへの認識があって初めて、同税は正当に評価され、作動するであろう。

▼中小企業振興、地域経済の自立的発展          
㈱地域計画建築研究所 会長  杉原 五郎  氏
中小企業の収益性の確保と社会性の発揮をどのように折り合いを付けていくのか、
具体的事業経営の現場では、重要な問題になる。どの様の解決していくべきであろうか。

▼地域力ビジネス(竹等の地域資源活用による地域再生等)の展開  
NPO かもめ 理事  曽我 千代子  氏
身近な自然の荒廃は、生活環境の悪化をもたらす。身近な自然を地域資源として位置付け、
その利活用が積極的に図られないと豊かな生活は保障されない。

◇  未来社会の在り方
▼伝統工芸の再生、伝統的未来遺産の保全活用    
元京都美術工芸大学 教授  岩田 均  氏
自然素材の固有価値は、「手仕事」によって、その真価を十全に発揮する。また人間の精神性を高めることにも繋がる。
伝統工芸の復活が、これからの産業施策の中心に据えられてもいいのではないか。

▼ソーシャルビジネスの実践から見たその課題と展望  
みのりのもり劇場 理事長  伊豆田 千加  氏
顔の見える小さなコミュニティの形成にこそ、ソーシャルビジネスの起点がある。
そうした取組において、地域に経営基盤を有する中小企業の果たす役割は重要であり、着目すべきである。

◇  国土形成の在り方
▼日本のリダンダンシー「けいはんな」
有限会社自然文化創舎 代表取締役  君塚 孝一  氏
関東とは異なる歴史的、文化的厚みを有する関西ならではの都市形成を目指し、
日本のリダンダンシーを強化していくことが重要である。「けいはんな」がその中心にあってもいいのではないか。


ジオラマ制作ワークショップ/エキジビション・交流懇談
「森のねんどの木津川物語」―未来都市編―

KGIサイエンス&アート・カフェ

人形作家  岡本道康氏の主宰による
「森のねんどの木津川物語」―未来都市編―     
                                                     
前回の「対話型講演会」のテーマ「― 都市の在り方を問う・・・。
「農的」世界と「工的」世界を結ぶもの ―」に即し、未来都市(グリーンスマートシティ)を造形化し、
「まちの未来」づくりに繋げるジオラマ制作ワークショップ


◆10 時から 12 時 30 分まで、「KICK」1階「交流サロン」で、ジオラマ制作ワークショップが、街づくりに携わっている市民の方々、あるいは、LOHAS タウンに関心を寄せる同志社大学の学生の方々等、約 15 名の参加を得て開催されました。

◆前回に引き続き、自然との共生、エネルギー利用の効率化、地域の歴史を踏まえたまちづくりなど、参加者のまちづくりに寄せる思いを語り合い、
各人のイメージする「まち」を造形化。森と海の日本の山野をイメージした「森のねんど」の基台に、山、川、道等に沿って家屋、樹木等のパーツを配置しながら、「未来都市(スマートシティ)」のイメージを膨らませました。

◆“未来都市「スマートシティ」は、生命の循環に支えられて”・・・。
人形作家岡本道康氏のメッセージに誘(いざな)われながら、自ら造形することの楽しさを味わうことのできた一時でした。こうしたジオラマ制作活動、継続し
て行いたとの思いをそれぞれに抱きながら、その日のワークショップを終えました。

 ◆午後 6 時から、エキジビション、交流懇談が、KICK1階「交流サロン」で、各講演者の参加を得て開催されました。ジオラマ制作ワークショップ作品のほか、自動運転 EV 車が走行し、あるいは交通制御システムを組み込んだジオラマ、暮らしの情景を表現した「森のねんどの物語」作品を展示。それらを見入りながら、未来都市やふるさとづくりへの想いを交換しました。
 
 

【お知らせ】平成28年12月7日(水)KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」を開催します

2016/10/18 8:33 に 事務局 KGI が投稿   [ 2016/10/19 7:01 に更新しました ]

けいはんなグリーンイノベーションフォーラム(KGIフォーラム)では、今年度はその設立を記念し、その設立趣旨でもある「地下資源に依存し続けてきた文明に代わるもう一つの新たな文明を模索しようとする試み」として、『“もう一つの文明”を構想する人々と語る「日本の未来」』と題する対話型講演会を開催しています。

 「グリーンイノベーション」にご関心のある方々に広くご参加いただき、皆様方とともに、その在り方を探究して行きたいと考えております。
 皆様のお越しを、心からお待ちしております。

お申し込みはこちら


【お知らせ】平成28年9月29日(木)KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」を開催します

2016/08/27 18:51 に 事務局 KGI が投稿   [ 2016/10/18 8:17 に更新しました ]

けいはんなグリーンイノベーションフォーラム(KGIフォーラム)では、今年度はその設立を記念し、その設立趣旨でもある「地下資源に依存し続けてきた文明に代わるもう一つの新たな文明を模索しようとする試み」として、『“もう一つの文明”を構想する人々と語る「日本の未来」』と題する対話型講演会を開催しています。

 「グリーンイノベーション」にご関心のある方々に広くご参加いただき、皆様方とともに、その在り方を探究して行きたいと考えております。
 皆様のお越しを、心からお待ちしております。




【ご報告】平成28年6月2日(木)KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」を開催しました

2016/06/17 21:18 に 事務局 KGI が投稿   [ 2016/06/25 2:01 に更新しました ]

6 月2日(木)午後 3 時 10 分から、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)2 階「シアター」において、100 名を超える多数の参加者を得、第 3 回『KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」』が開催されました。
 本講演会は、「“もう一つの文明”を構想する人々と語る日本の未来」を共通テーマとして開催されている連続講演で、昨年 11 月の第 1 回、本年 3 月の第 2 回開催に続くものです。今回は、京都スマートシティエキスポ 2016「連携プログラム」であったことから、その最中、「都市の在り方を問う・・・。「農的」世界と「工的」世界を結ぶもの」をテーマとして開催されました。その概要をご報告します。

日時: 平成28年6月2日(木) 15:10〜17:30
場所: けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)2階「シアター」

※当日のプログラムはこちらをご覧ください。 
※会員の方はこちらから詳しくご覧いただけます。


 主催者を代表して、けいはんなグリーンイノベーションフォーラム(KGIフォーラム)代表代行の池内了先生から、資源有限時代を生きるには、地下資源文明から地上資源文明へと舵を切る必要がある。小型化、多様化、分散化などを理念とする“もう一つの文明”を皆さんと共に探求したい、旨の挨拶がありました。
 講演会では、鼎談、参加者との意見交換に先立ち、秋山先生、長尾先生、千田先生から、それぞれご講演をいただきました。


次代を拓くためには、個人レベルの生活を基礎として、一人ひとりが、その五感を磨くことが肝要。
「大地」に触れる農作業の試みは、その一つ。

秋山豊寛先生 (京都造形芸術大学芸術学部教授 日本人初の宇宙飛行士)
特別講演:「大地との対話から始まる未来」

■ 農作業それ自体が芸術活動。農作業で感性を磨く。
田畑を耕し、草刈りをする。そうした農作業そのものが美しい風景をもたらす。
豊かな実りをもたらす。豊かな感性を養う。これらの行為自体が芸術活動と言える。農業作業の近代化効率化によって生み出された余暇を活用しての各種の創作活動。これは「農民芸術」の本質ではない。美しい村は、美しく暮らしたいと思う人々が暮らす村から生まれる。全ては、暮らしを整えることから始まる。

■ 「経済力」よりむしろ「自然力」の上手な活用が人々の豊かな暮らしを拓く。
21世紀に求められるデザイン、その源は自然との共生にある。自然力を生かした生活の追求がこれからの生き方である。太陽光発電も、風力発電も意味のあることではあるが、その導入には多額の資金が要る。それに比べ小水力発電は多額の資金を要しない。簡素で身の丈に合った技術である。これは“経済成長”とは異なる、もう一つの路線。1%の富裕層が世界の富の過半を占有する世界とは異なる道。99%の人々を豊かな世界へと導く道である。

■ 「文字文化」とは別の「触れる文化」で、身体的楽しさを生活に。
都市の競争的社会一辺倒ではなく、農村の共生的社会に人々を誘うことにも重要である。大規模農業の推進でなく、「小農」の再生によって農村社会を維持していくことも重要である。そこには大地に触れる生活、田んぼのぬかるみに触れ、そのとろみを感じる豊かな生活がある。そうした、大地に息づく命の賑わいを楽しむ心こそ愛おしい。「遊びをせんとや生まれけむ・・・(梁塵秘抄)」。一人ひとりの、生活を楽しむ心持ちが基本である。





自然に囲まれた生活環境の中でこそ、人間は、創造性を発揮する。
「林間都市」の実現の試みを、このけいはんな学研都市で。

長尾 真先生 (公益財団法人国際高等研究所長 京都大学元総長)
記念講演:「未来の都市は、“林間”に。―「林間都市」実現の夢」

■ 2050 年には 30 億人が都市民。都市の再設計が不可欠。
自然を失った人工都市は人間性や創造性を失わせ知的生産活動を低下させる。また未来を担う子供たちの健全な発達を阻害する。それに付けて、「田園都市」(1898 年、エベネザー・ハワード提唱)を想起する。「林間都市」実現への思いが募る。

■ ICT 技術の発展で、人間性豊かな社会構築の条件が成熟。
日本はこれから人口減少社会に向かうが、あらゆる分野にロボットが導入され社会活動や企業の生産性が向上すれば、知的生産活動とサービス中心の社会となる。労働時間は短縮され、ワークシェアリングが行われ、社会インフラとしての情報通信技術や自動走行交通機関の発展とそのコストの低廉化によって、どこに住んでいても仕事ができ、在宅勤務が十分に成り立つ社会を実現することができる。そうすれば自然豊かな林間に住み健全な人間性を回復し、効率性の高い社会活動、企業活動を実現することができるだろう。

■ 次代に相応しい都市モデルを、けいはんな学研都市で。
次代は、資源有限の地球、循環型定常社会へと向かわざるを得ない。アメリカ型ではなく、デンマーク型の都市設計思想がふさわしい。けいはんな学研都市を、そのモデルとして発展させてゆくことはできないか。






自然エネルギーの利用には、人間社会と同期させる工夫が不可欠。
オンサイト型ソフトエネルギーパスの実現に向けた技術開発を。

千田二郎先生 (同志社大学理工学部教授 けいはんなグリーンエネルギー研究所長)
テーマ講演:「都市静脈系と農村・林間資源によるエネルギー持続社会の可能性」

■ 人類は、250 年で地球 45 億年の蓄積エネルギーを蕩尽
現代人は、地球のネルギーの蓄積速度をはるかに超える速度でエネルギーを使用している。現在、我々の文明生活を支えている化石系資源(石炭・石油・天然ガス)は有限であり、いつかは枯渇する。同時に、化石系資源の HC の燃焼 CO2 などの温顔化ガスによる地球温暖化が進行している。

■ ハードパス(大規模集中型)からソフトパス(小規模分散型)へ。
エネルギー問題は、都市構造に大きく依存している側面がある。欧米の構造は自律分散協調型、日本のそれは中央集中指令型。化石系資源に依存しないエネルギーシステム、自然エネルギー最大化、さらには地上に存在するグリーンエネルギー利用によるエネルギー自立/自律化が必要である。

■ 地域のエネルギー自立度の向上を目指して、社会実証を。
我々の居住区や都市生活領域からの廃棄物(都市静脈系)である有機性廃棄物、一般産業廃棄物などのいわゆるゴミ、下水汚泥、糞尿などを完全に無公害プロセスで燃料化し、さらに農村・林間領域での地産グリーンな資源とともに、地産エネルギーとしてオンサイトでコジェネ利用して熱電併給で地消する。そうした資源循環型社会の可能性を探っていきたい。





次世代の都市・まちは、自律分散型で、多様性に富んだ社会。
そのためにも推進主体の整備、そして分野横断的な新たな「学」の創出を。

各ご講演の後、池内先生の司会の下に、秋山先生、長尾先生、千田先生による鼎談、そして参加者との意見交換が行われ、次のような発言がありました。
 
 
 
 

①エネルギー問題一つとっても、太陽光発電、風力発電、小水力発電、廃棄物発電等、それぞれに所管が異なり、地域にとって最適なエネルギー施策の展開が阻害されている。研究分野においても然りである。トランスサイエンスの問題として、分野横断的な視点をもって科学技術を組み替える試みが必要。例えば「シビルエンジニアリング学」などの新たな学問分野の開拓が望まれる。

②これからの社会は「循環型定常社会」に移行していくであろう。そうした社会をデザインし、マネージメントする主体が肝心である。まちづくり協議会等が挙げられる。京都スマートシティエキスポ、あるいは、KGIフォーラムなどもその一翼を担うであろう。千年の都、京都には「絡みの世界」ともいえる社会が形成されている。ネットワーク型都市として、次代の都市・まちづくり

③「農業」の後継者問題が取り沙汰されているが、「家族」単位ではなく、「地域」として農業をどのように位置付けるかの問題である。政策的には大規模農業が話題となっているが、小規模農業の意義を、地域の在り方と関連付けて深く考えるべきである。そのことを通じて、農村指向の若者を育て、地域の再生につなげることが重要である。






ジオラマ制作ワークショップ/エキジビション・交流懇談
“未来都市「スマートシティ」は、生命の循環に支えられて”・・・。
「森のねんどの木津川物語」―未来都市編―

KGIサイエンス&アート・カフェ 
人形作家 岡本道康氏の主宰による
「森のねんどの木津川物語」―未来都市編―

第 2 回「対話型講演会」のテーマ「流域の思想と風土の力」に即し、地域の自然に育まれた特色ある文化を造形化することを掲げてのジオラマ制作ワークショップ





■ 12 時 30 分から 14 時 30 分までの 2 時間、「KICK」1階「交流サロン」で、ジオラマ制作ワークショップが、街づくりに携わっている市民の方々、あるいは、LOHAS タウンに関心を寄せる同志社大学の学生の方々等、20 名を超える多様な人々の参加を得て開催されました。

■ 自然との共生、エネルギー利用の効率化、地域の歴史を踏まえたまちづくりなど、参加者のまちづくりに寄せる思いを語り合い、各人のイメージする「まち」を造形化。森と海の日本の山野をイメージした「森のねんど」の基台に、山、川、道等に沿って家屋、樹木等のパーツを配置しながら、「未来都市(スマートシティ)」のイメージを膨らませました。

■ “未来都市「スマートシティ」は、生命の循環に支えられて”・・・。人形作家岡本道康氏のメッセージに誘(いざな)われながら、自ら造形することの楽しさを味わうことのできた一時でした。こうしたジオラマ制作活動、継続して行いたいとの思いをそれぞれに抱きながら、その日のワークショップを終えました。

■ 午後 5 時 30 分から、エキジビション、交流懇談が、KICK1階「交流サロン」で、各講演者の参加を得、KGIフォーラム代表代行の池内先生の乾杯の音頭で開始されました。ジオラマ制作ワークショップ作品のほか、自動運転 EV 車が走行し、あるいは交通制御システムを組み込んだジオラマ、暮らしの情景を表現した「森のねんどの物語」作品を展示。それらを見入りながら、未来都市やふるさとづくりへの想いを交換しました。
 
 
 
 
 
 
 
 





パネル展「森のねんどの物語」
「未来都市」と「ふるさと」をつなぐ。 「森のねんどの物語」、その可能性を探る。


6 月 2 日、3 日の 2 日間、KICK1階「カフェ・スペース」の壁面、幅約20メートルの大衝立看板に、「森のねんどの物語」のパネル25枚(人形作家岡本道康作)を展示。行き交う人々の関心を誘いました。




【お知らせ】平成28年6月2日(木)KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」を開催します

2016/04/27 7:05 に 事務局 KGI が投稿   [ 2016/10/18 8:18 に更新しました ]

 けいはんなグリーンイノベーションフォーラム(KGIフォーラム)では、今年度はその設立を記念し、その設立趣旨でもある「地下資源に依存し続けてきた文明に代わるもう一つの新たな文明を模索しようとする試み」として、『“もう一つの文明”を構想する人々と語る「日本の未来」』と題する対話型講演会を開催しています。

 「グリーンイノベーション」にご関心のある方々に広くご参加いただき、皆様方とともに、その在り方を探究して行きたいと考えております。
 皆様のお越しを、心からお待ちしております。




【ご報告】平成28年3月11日(金)KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」を開催しました

2016/03/26 16:01 に 事務局 KGI が投稿   [ 2016/04/03 8:32 に更新しました ]

 3月11日(金)午後1時30分から、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)において、約 40 名の参加者を得、第 2 回『KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」』が開催されました。
 昨年 11 月の第 1 回開催に続くもので、「“もう一つの文明”を構想する人々と語る日本の未来」を共通テーマとし、今回は、「流域の思想と風土の力」をテーマとして開催されました。その概要をご報告します。

日時: 平成28年3月11日(金) 13:30〜18:30
場所: けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)3階「会議室1・2」

※当日のプログラムはこちらをご覧ください。 
※会員の方はこちらから詳しくご覧いただけます。


 3 月 11 日(金)午後 1 時 30 分から、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)3 階「会議室1・2」において、約 40 名の参加者を得、第 2 回『KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」』が開催されました。これは、昨年 11 月の第 1 回開催に続くもので、「“もう一つの文明”を構想する人々と語る日本の未来」を共通テーマとし、今回は、「流域の思想と風土の力」をテーマとして開催されました。
 主催者を代表して、けいはんなグリーンイノベーションフォーラム(KGIフォーラム)代表代行の池内了先生から、「3・11」の東北大震災・原発事故は、我々に、これまでの社会の在り方、生活の在り方に反省を迫るものであった。本講演会が、これに応えるものになることを期待する旨の挨拶がありました。
 講演会第Ⅰ部では、鼎談に先立ち、田中先生、印南先生、池内先生から、それぞれミニ講演をいただきました。


森里川海の連環の中でこそ、自然は、真に豊かとなる。
豊かな自然の中でこそ、人間は、真に幸せとなる。





田中克先生 ―「森里海連関学」を推進し、列島再生への道を拓く。



 海辺に集まる稚魚の生態を観察する中で「森里海連環学」の着想を得た。現在、研究の第一線は退いたが、カヤックで漁村をめぐる「海遍路」などの取組によって、その「学」の普及に実践的に関わっている。
 「3・11」の東北大震災・原発事故に係る復興事業の現状、巨大防潮堤の建設も引きながら、命の源である「水」によって繋がっている山、川、里、海の連環、森と海の関係が断ち切られていること、ここに、悲劇の源がある。
 しかし、その一方、震災によって、瓦礫の山となった地上の姿をよそに、海の中には、魚で賑わう豊かな世界が、程なくして戻って来ていた。漁師の人たちは、その姿を見て、「太平洋銀行」との言葉を想起し、海の恵みを「利子」になぞらえ、それを限度として捕獲しながら、将来にわたって海に生きる決意を固めていった。それは、感動的であった。
 絶滅危惧種は特定の動植物種のみではない。むしろ、自然と戯れて満面の笑みを浮かべる子供、そんな子供たちの笑顔である。この「絶滅危惧種」を再生し、次代に繋いでいくためには、今こそ、自然と共に生きる人間の在り方に思いを馳せなければならない。























印南敏秀先生 ―民族文化から生活文化へ。

 民具が急速に失われて行っている。民具の存在は、人々がそこに生活していた証である。記録である。その喪失によって、人々の生活文化、生活技術の伝承の拠り所を失うこととなる。完璧な保全が重要なのではない、ともかく保全することが第一である。 
 けいはんな学研都市の開発に際して、京都府南山城郷土資料館の学芸員として地域に残されている民具等の民俗資料の緊急調査に関わった。各集落等に保全されている民俗資料を丹念に調査することで、地域の生活文化の構造が次第に明らかになってきた。  
 それは、今の言葉で表現すると、木津川流域の森、里、川、海の連環の姿そのものであった。当時は思いも及ばなかったが、讃岐の金毘羅宮への流し樽信仰に見られる木津川流域と瀬戸内文化との関係も発見できた。
 今、思うところがある。従来の民俗学では、生業、いわゆる生産に係る民俗資料に関心が寄せられていたが、消費としての「食」に係る民俗資料は等閑視されてきた。焦眉の課題である「食」の問題を追求していく上で、民俗学的視点から「食」に関心を寄せることは、重要なことであると思っている。





池内了先生 ―未来社会のあり様としての「地上資源文明」を構想する。

詳しくはこちら

  50年、60年単位で考えた場合、地下資源の枯渇は目に見えている。今の子供たちは、その地下資源枯渇の時代を生きなければならない運命にある。そのことに思いを馳せて、今を生きる我々は次代を構想しなければならない。 
  エネルギー密度の高い化石燃料をふんだんに使って経済発展を追求している、いわゆる現代の「地下資源文明」は、大型化、一様化、集中化の技術体系に支えられたものである。これからの「地上資源文明」は、それらとは逆の、小型化、多様化、分散化の技術体系に支えられるものである。こうした要請に応えるためには、科学の在り方も、要素還元型のものから複雑系の科学へと主軸を移さなければならい。
 多くは知られていないが、そうした動きは各地で起きている。里山資本主義が注目され、自然エネルギー100%を追求している地域があり、更に、原発拒否の町も既に50以上となっている。時代は動きつつある。
 「地上資源文明」の実現は、昔に戻るのではなく、地上資源の徹底利用による文明社会の構築であり、科学の成果を駆使した長期にわたる追求が不可欠である。木津川などの地名に刻まれた先の時代の社会のあり様、森里川海の連環にも学びながら英知を傾けることが重要である。


「豊かな自然」に恵まれた日本。だが、人々は、その豊かさを享受していない。
今こそ、「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」を!

講演会第Ⅱ部では、環境省 自然環境計画課長をお招きし、環境施策講演会を行いました。




環境省 自然環境計画課長 鳥居敏男氏
環境施策の新たな展開 ~「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」~

詳しくはこちら

  日本は、生物多様性に富んだ世界有数の国である。人と動植物が 見事に共生した世界、「里山」を紡いできた日本。その姿は、人と自 然の関係の在り方を示すものとして「SATOYAMA」は世界に 通用する言葉として定着してきている。
 ところが、それに逆らうかのように、化石燃料の輸入は言うまで もなく、また、食糧自給率の低さはつとに知られているところであ り、更に「森林大国」日本と言われながら多くの木材資源が輸入さ れている日本。それらを通じて、いわゆる「バーチャルウオーター」の輸入が想像を超えて多い日 本。子供たちがと自然とのふれあう姿が消えて行っている日本。  
 こうした現状を憂い、反省し、環境省では、昨年、2015 年 6 月、「つなげよう、支えよう森里川海 プロジェクト」の起点となった文書を、各省庁の参加の下に、有識者の知見を得て「中間とりまと め」として作成し、現在、その普及活動を行っている。
 本プロジェクトが多くの市民の共感を得、また、民間資金にも支えられながら持続的に展開する ことを願っている。「つなげよう、支えよう森里川海」の合言葉の下に、「環境・生命文明社会」を 目指していきたい。


市民の地域実践活動が高く評価される社会を!
実践的「学」は、論理的「学」と同等に評価されなければならない。

各ご講演の後、質疑応答、対話が行われ、次のような発言がありました。

① 市民参加の下に、人と自然との連携を進めていく上で何が必要 か。「学」の在り方を疑うことが求められる。身近な生活との繋がり が意識されるべきである。「森里川海連関学」のような学問領域は論 文になり難い領域ではないかと思う。論文が評価対象の全てではな く、社会的実践活動を評価する仕組みが必要であろう。
② 環境問題、特に、「森里川海の連環」の課題は、「地方分権」に 最もふさわしい課題である。民間の力を活用するといった上から目 線の発想では効果を発揮しない分野である。従来の大量生産・大量消費・大量廃棄の経済社会にお けるものとは異なる行政の仕組み、在り方が求められるのではないか。
③ 市井に散逸している民俗資料を収集し、その文物とともに技術を伝承する仕組みが求められて いる。動態保存といった手法も必要である。「小さな博物館」を核にそうした取組を展開する計画で ある。現在、「博物館」の在り方が大いに見直されている。自治体等との協働、連携の余地が大きい。


人々の“まちづくり”の想いを、
「森のねんどの木津川物語」、ジオラマ制作ワークショップに乗せて。

KGIサイエンス&アート・カフェ




人形作家岡本道康氏の主宰による「森のねんどの木津川物語」―街づくり編―
第1回「対話型講演会」のテーマ「自然信仰と共同社会」に即し、各人の心の拠り所となっている地域の象徴を造形化することを掲げてのジオラマ制作ワークショップ








午前 10 時から 12 時 30 分まで、「講演会」の開催に先立って、KICK1階「交流サロン」で、7人の参加を得て開催されました。参加者は、童心に帰ってジオラマ制作に没頭しました。








各人のイメージする「まち」を、「森のねんど」で造形された卵型の基台に、家屋、樹木等のパーツを配置し、また川、道等を描きながら、自らの小宇宙を作り上げました。







午後5時から、エキジビション、交流懇談が、KICK1階「交流サロン」で開催されました。KGIフォーラム副代表の千田先生の乾杯の音頭で始まり、ジオラマ制作ワークショップの作品を囲んで、制作の思いを語るなど、まちづくりへの想いを交換しました。

【お知らせ】平成28年3月11日(金)KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」を開催します

2016/02/20 18:57 に 事務局 KGI が投稿   [ 2016/04/27 7:17 に更新しました ]

 けいはんなグリーンイノベーションフォーラム(KGIフォーラム)では、今年度はその設立を記念し、その設立趣旨でもある「地下資源に依存し続けてきた文明に代わるもう一つの新たな文明を模索しようとする試み」として、『“もう一つの文明”を構想する人々と語る「日本の未来」』と題する対話型講演会を開催しています。

昨年11月に開催した第1回に続き第2回目となる今回は、対話型講演会には田中克先生、印南敏秀先生をお招きします。また環境施策講演として環境省から鳥居敏男氏をお招きします。さらに人形作家岡本道康先生主宰のジオラマ制作ワークショップも実施いたします。
 「グリーンイノベーション」にご関心のある方々に広くご参加いただき、皆様方とともに、その在り方を探究して行きたいと考えております。
 皆様のお越しを、心からお待ちしております。 

参加申し込みはこちらをクリック



【ご報告】平成27年11月20日(金)KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を!」を開催しました

2016/01/10 20:46 に 事務局 KGI が投稿   [ 2016/01/17 21:10 に更新しました ]

1120日(金)午後130分から、国際高等研究所のレクチャーホールに、70名を超える参加者を得、『KGIフォーラム設立記念・対話型講演会「けいはんな丘陵からグリーンイノベーションの風を」』が、「“もう一つの文明”を構想する人々と語る日本の未来」をメインテーマに開催されました。その概要をご報告します。

⽇時: 平成27年11⽉20⽇(⾦) 13:30〜17:30 
場所:公益財団法人国際高等研 究所 レクチャーホール


※当日のプログラムはこちらをご覧ください。


「自然信仰と共同社会」をテーマに、内山節先生がご講演

主催者を代表して、けいはんなグリーンイノベーションフォーラム(KGIフォーラム)代表代行の池内了先生から、講演会の開催趣旨に触れながら開会の挨拶。続いて、第Ⅰ部のゲスト講演では、哲学者の内山節先生から「自然信仰と共同社会」をテーマに、氏の居住されている群馬県上野村での生活の様子を紹介しながらの、これからの社会の在り方についての示唆に富んだ講演でした。

 


現代社会を超えるには、最新の科学技術の活用による「伝統回帰」が不可欠。

それは、ローカルな視点によってこそ可能

 今、必要なのは、伝統回帰。単純な伝統回帰ではなく、最新の科学技術を活用した伝統回帰こそが重要であるとして、伝統と先端との結合による新しい社会の構築を提起されました。  

特に、世界は、政治、経済、社会、科学、技術、宗教、文化等が一体不可分のものとして存在しているのであり、経済至上主義、科学至上主義的発想が、世界に破壊的作用を及ぼすことを指摘。明治維新以来の日本の近代化の過程がそのことを如実に物語っているとして、それを超えるためには、ローカルな視点からの取組が不可欠であることを強調されました。



「豊かな社会」の実現は、先ず、労働から。決して経済からではない。

    対話講演では、池内了先生との対談の形で話が進み、群馬県上野村の歴史にも触れながら、高い共同意識に支えられて、森林資源を基礎とした自立度の高い生活スタイルが実現していることの紹介がありました。こうした点は、バイマスによるエネルギー自給のほか、広葉樹を活用した木工芸の振興、椎茸栽培等の地域ぐるみの労働の系によく現われており、儲け話の前に、働きの場が、経済的価値の前に、労働の意義が強く認識され、自治体、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合等を拠点とする村民の労働連携の下で、豊かな「共同社会」が実現されている旨紹介されました。  また、会場からも、伝統回帰と近代科学との関係、更に人口問題との関係などについて質問があり、活発な意見交換が行われました。地球大の事を考えることも重要であるが、未来を見据えながら、庭先の事を考えて地道に良いと信じるところを実践することにこそ、次代を拓く道があると主張されました。


  「小さな博物館」を地域再生の核に。木質バイオマスの高度利用で、地域資源の利用促進を。

第Ⅱ部のセミナー開催紹介では、事務局から、「地域資源ナレッジマネジメント研究会」に関わるテーマとして「ICTで繋ぐ「小さな博物館」(ミュージアム)を核とした地域資源ナレッジマネジメントによる地域再生パイロットモデル事業」の概要について、「相楽木綿伝承館」、「江戸のあかり」、「たかっちゃんの紙芝居」などの「小さな博物館」に関する映像紹介を交えて説明がありました。また、「バイオマス高度利用研究会」に関わるテーマとして「CO2膜分離による木質バイオガスの高エネルギー化技術開発」の概要について説明があり、地域の竹資源等の有効利用への道を拓く取組として注目を集めました。



 “もう一つの文明”への探索の取組を「森のねんどの物語」として造形化、思考実験を重ねて現実社会に。

引き続いて、当日の講演会、また、セミナーの開催紹介を踏まえて、それらの内容をどの様に現実社会・地域に結び付けていくのかの観点から、KGIフォーラム活動の今後の展開構想に関して説明がありました。①“もう一つの文明”を探究する「講演会」と、②そのコンセプトを造形化した「ジオラマ」と、③そうした取組を現実社会で実践するための「研究会」の展開、その3層構造の下に、今後、事業を展開することが提起され、その糸口として、「森のねんどの物語」によるジオラマ制作によるシンボリックなウエルカムボードの制作を、来年6月にけいはんな学研都市で開催される「エコシティEXPO」に向けて検討する旨の表明がありました。



地域づくりのおける「森のねんどの物語」の可能性、「小さな博物館」の可能性

最期に、会場をコミュニティホールに移し、千田二郎副代表の音頭で、午後430分から530分頃まで、交流・懇談会が行われました。そこでは、「森のねんどの物語」によって制作されたジオラマ模型が展示され、その製作者である人形作家の岡本道康氏の説明を聞きながら、また、「小さな博物館」の動画映像を鑑賞しながら、まちづくりへの応用可能性について意見が交わされ、大いに盛り上がりました。次なる展開に思いを馳せながら、予定時間を大きく超えて交流・懇談に花が咲きました。


 
 
 
池内 了 氏
 内山 節 氏
 岡本 通康 氏
 
 
 
 三宅 諭 氏
 澤村 健一 氏
 千田 二郎 氏
 
 
 



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